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【幸運は何処から】 

その扇子を買ったのは旅行先の出店だった。
もともと立ち寄る予定もなかった。
偶然目に入ったから入ってみて、なんとなく気になったからその扇子を手に取り、気が付けば購入していた。
不思議だったのは今思えばその扇子、閉じた状態で購入してて特段デザインが好きだった訳でもないという事だ。
自身でも不思議で(何故買ったのだろう)という気持ちでその扇子を広げてみた。
何も書いておらず黒無地。
何だこれ?と全て広げてみると紙が一枚はらりと落ちた。
そこにはこう記されていた。
“幸運は天から降りて来る”
なんか洒落てるなぁと思い、仏壇に飾っておいた。

そういう謂れを祖母から聞いたことがあった。
「幸運は何処からやって来ると思う?」
祖母が亡くなる前夜に言った。
祖母が亡くなった日、地に落ちた扇子を見て思い出した。

【多分人間じゃあない。】 

昨日仕事帰りにあった事なんだけど。
夜の12時くらいかな。
自宅マンションの上から来たエレベーターに乗ろうと思った時の事。
今日も疲れたなぁってエレベーター待ってて、エレベーターのドアが開いた瞬間、少しギョッとした。
中に人が乗ってたから。
まあ都会ならあるあるかもだけど
こんな時間に?てか待ってる時の中映す映像に映ってたか?て思った。
しかもその人何故か降りずに同乗する事になった。
時間も時間だし警戒した私は、
こんばんわと一応挨拶しつつ乗り込んだら無視された。
無視かと思っていたら、後ろから
こんばんわ。
って少し遅れて聞こえた。
やけに遅い返事にビクっとなってたらまた
こんばんわ。って。
そこで、寒気がMAXになった。
その、何がヤバいって、その声、私の声なんだよ。
ちょっと意味わかんないかもだから補足すると
まるで私のさっきの声を録音した機械で流してるみたいな私の声で、コンバンワ って。
ヤバ、、と思って早めに違う階押して降りるか迷ったけど変な行動起こしたらそれも何かヤバい気がして。
しかもそこで気付いたのだけど、この人、行先ボタンも押してない、点灯してるのは自分の降りる階のみ。
最悪だ、、。早くつけ!早く、、!
って祈りつつ、空いた瞬間に早歩きでエレベーター降りて自宅のドア滑り込んだよ。
乗ってる時にエレベーター内を写してるカメラ見ようかとも思ったけど、そこでもし私しか映ってないとかなったらもうね、、
だから怖くて動けなかった。

私は無事でこうして投稿出来てるけど、もし同じような事に遭遇した際は、同乗しない事をオススメする。何が起こるかわからん時代だしね。
まあ
このご時世、急に避けられた様にエレベーター待ちしてる人が乗らなかったりしたら、それはそれでどうなるかわかんないけども。

【ギリギリ】 

小学校の頃、友人と山や廃墟を探検するのにハマってた時期があってさ。
行ったことのない所まで行って見たことのない景色や捨てられたものを見つけてはお宝ゲット!と集めてたんだ。
その日はとあるマンションへ行った。
そこは古くて危ないとか私有地だからとかで入っちゃいけないと大人からは言われていたのだけど最後の夏の思い出にという事で。
いざ行ってみると想像以上に広く古かったが各部屋隈無く探索した。
部屋の中にはエッチな本や注射器など当時の俺らにとってはお宝に見えたものが多数あり大興奮だった。
四階の探索へ差し掛かった時、友人がとある部屋の前で立ち止まった。
早く入ろうぜ!とエロ本片手に急かすと、鍵が掛かってて開かない、と。
廃墟である事は確実だったので、建て付けが悪いんじゃないか?と何回かガチャガチャとドアノブを引いたり押したりしたのだが確かに開かなかった。
何か引っかかってるのかなと思いドアスコープから中を覗くとなんと、向こう側からもオッサンがこっちを睨み付けて居るのが見えた。
まさか人が居ると思わなかった俺はビビって全速力で逃げ友人も続いた。
突然逃げた俺は友人に咎められつつオッサンが居た事を話した。


友人宅へ帰り戦利品を堪能していると友人母が何処でそんなの、拾って来たの!と怒られた。
このままだと濡れ衣で最寄りの本屋等へ謝罪しに回る羽目になりそうだったので観念して、廃墟マンションで拾った旨とついでに変なオッサンが住み着いてた話をした。
一応母には警察に通報してもらってオッサンが追い出されたら俺達だけの秘密基地にしようと思ってた。

後日、例の廃墟マンションに沢山のパトカーがサイレンを鳴らしてとまっている事があった。
浮浪者のオッサン終わったw
と内心ウケて興味津々でその様子を山の中から友人と観察していたもののオッサンは、一向に出て来ず代わりに立ち入り禁止のテープなどが貼られて物々しい雰囲気になって来た。
少し変だなと思いながらも観察していると中から、ブルーシートに乗せられた人?が運び出される所だった。
その日は中へ入れそうも無かったので退散して友人家でゲームして遊んだ。

また後日、友人家で遊んで居たのだが飽きてきたので廃墟マンション行こう!と外へ出ようとしたら、友人母に足止めされた。
その場では公園行くと嘘をついたのだが、友人母はお見通しで、廃墟マンションへなら行かない方が良いと。
先日、首吊り死体が見つかったらしいって。

この一件で図らずも一生の思い出になった訳だが、あの日ドアスコープから見えたオッサンの虚な顔、生きていた者のものなのか、あるいは既にこの世のものではななかったのか。
どちらにしても恐ろしい。

この人、聞こえてる 

人生はきっかけ一つで一変する。

夫と離婚し息子も病気で先立たれてから明らかに私の精神は異常をきたしていました。
消した筈の電気が点いていたり、誰も居ない部屋から話し声がしたり。
あまりにも症状が酷くて最初は病院に通っていたものの容体は至って正常で解決にはならず、藁にも縋るおもい、半信半疑で霊媒師にお願いしたところ、取り敢えず来てくれる事になったのですが。
その方は家に到着して早々に顔を曇らし
「わたしにもよくわからないのですが、〝この人、聞こえてる、この人、聞こえてる”って言ってます…あっ」
というと、顔が引き攣り何も言わずに家から飛び出して行きました。

後日一通のメールが届きました。
そこには
「突然あの時は飛び出して申し訳ございません。
そうするしかありませんでした。
本題に入ります。
詳しくは障るのでお伝え出来かねるのですが、
私にはあの子達は祓えません。
というか、祓える方、もう今の日本には居ないんじゃないかなって思います。
それこそ文字通り命懸けになると思うので。
失礼承知で申し上げるのですが、●さん何か心当たりがあるのではないでしょうか?
それをどうにかする事でしか現状を変える事は出来ない、むしろそれが一番で唯一の犠牲を出さずに解決出来る方法のように思います。
返事は要りません。
今後のご連絡もこれ以降お控え下さい。
力になれなくて申し訳ございません。」

私はこの連絡を受けて
結局この人も駄目だった。
と失意と憎しみの思いでいっぱいだったのですが、ほんの一握り安堵の気持ちもあったんです。
私に見えているのは、幻なんかじゃない、息子はまだ私の側に居るって。

実家仕舞い 

主に解体屋という名の何でも屋をやってる中でゾッとした経験がある。
実家仕舞いの依頼があり伺うと弱々しい返事の後、家主と思われる方が足を引き摺りながら松葉杖をついて出てきた。
想像以上に綺麗だったので、これなら解体してしまうより売りに出した方が良いかもですよと提案してみると、いえ、あちらの母家です。と指差した先を見ると確かに昭和初期くらいの横長の平家があった。
なるほど確かにこれは壊して平にしてしまった方が良いかと早速作業に取り掛かった。

作業は順調に進み最後の奥部屋の作業に取り掛かろうと部屋に入ると相方のYが首を掻きながら変な事を言い出した。
この部屋〜なんか変じゃないですか…?
居心地が悪いって言うか…
その日は初夏、季節の変わり目という事もあったので、気のせいだろと俺は然程気にせず作業を続けた。
そして最後の最後、仏壇の整理、奥の神棚に手を伸ばし観音扉を開けると、茶黒い布にくるまれたモノが保管されていた。一応中身見るかと解こうとしていると何処から現れたのか家主が、もし良ければそちらは中身を見ずに廃棄していただいても良いでしょうか?と。
俺とYは顔を見合わせると、無理ならこれだけは持ち帰ります。というので、いや別にそう言う事ならそうしますんで大丈夫ですよと何故だかわからんが安請負してしまった。
するとどうだろう、その直後から妙な視線を感じる。思い込みかもしれないが。
気味悪いなーと思いつつ仕事を続けていたが、終いにはYが小さな悲鳴をあげた。
「首筋に変に冷たい水のような感触があったんすよ!」

違和感は終始続いてたものの作業を終え、離れへ挨拶に行くと家主が不便そうにしながらも深々とお辞儀をしお茶良ければと言ったが普段以上に疲労感があったので丁寧にお断りした。その時にチラッと家内の方も見えたのだが、親族全員何処かしら体の一部が欠損しているのが一目でわかり、言っちゃ悪いがかなり異様さを感じた。

会社へ戻り帰り支度をしてると廃棄場から激しい音がした。
見に行くとYが腰を抜かしている。
指差す先には例の仏壇があり、そこにははだけた布とその中にあったであろうもの。
阿修羅のような手が複数あるものだったが、
顔の表情、手に持つ頭部のようなもの、
とても神様には見えなかった。
「これ…流石にヤバくないっすか?」
見るなって言われてたやんけと軽く叱ると何かお宝かもと思って…と。
それ以降、社内でも、気狂い覚悟で言うがその神様の紛い物が放置されてる部屋に行くと必ず視線を感じる様になった。
極め付けにはYが事故で片足を骨折した。
見舞いに行くと真っ青な顔で
「首が急に動かなくなって、それが全身に広がって身体が思う様に動かなくなった」と言っていた。

ここまで来たらもう偶然だと思えなくてソレを持ちつつ取り敢えず近くの神社へお祓い的なものを出来るのかお願いしてみようと行ってみると、あ〜駄目駄目、ソレうちじゃ無理だよ、と中も見ずに言うもんだから、ちょっとイラッとして、え?そうなんすか?これなんですけど…と中身をせめて見せようとすると
あー‼︎見せないで‼︎見るだけでも駄目だから‼︎
と異常に拒否ってた。
どうにか理由だけでも聞くと、渋々、多分外国の神様?というか悪魔、呪いに限りなく近い。あんたの周りでも変な事は既に起きてるんじゃないか?あんたも実家のお稲荷様に足繁くお祈りして何とかしてもらえるようにお願いしなさい。効くかはわからんが。と。
※うちの家系が代々お稲荷様を信仰している事を言い当てられた。

進展は少しはあったものの根本解決にはならずか…と放置していると、数日と待たずに俺も薬指がすっ飛んだ。
部下に作業の共有をしていると、急にスライダーが動き出しストンと指が落ちた。
それを見た部下の子も俺も急過ぎて理解出来なかった。
電源はもちろん、ボタンを押す人すらその場には居なかったのに。

ぶっちゃけこういうのは信じてなかったもののここまでくると、信じざるを得ない。
放置は出来ないと身を持って感じ、即日、病院を出た足で某骨董品屋へ持ち込み、売っ払った。
捨てるとなんかヤバそうな気もしたので。
二束三文にもならなかったが。
その店は未だ在る。

救助を呼ぶ声】 

地震火災津波、あらゆる災害で救助に向かう中で不思議な体験をした事がある。
聞く人によっては不快感を覚える人もいるかも知れないので閲覧は自己責任で。

誰しも聞いた事がある未曾有の大災害、私も救助で現場に駆け付けていた。
発生からまだ数時間も経ってない現場は、まさにこの世の終わりとでも言う様な有様で、崩れたビルの瓦礫の山、漂う埃、何かが焼ける匂い。
私がこんな事を思ってはいけないのだが、
「もう生きている人間は居ないだろう」
と直感的に思った。それ程酷い有様だった。
それでも誰かが修復しなければならない。
故意的に心を殺して、まるで機械の様に瓦礫を片付けていった。
その時何処からか
(ここ…此処に居ます…)
と声が聞こえた気がした。
正直耳を疑った。
周りを見渡しても私以外に人は居らず声が聞こえたか確かめる術はない。
でも疑念は消えず感覚を研ぎ澄ますと
確かに
(此処…)
と虫の息だが確かに声がした。
故意的に殺した心が心臓の鼓動と共に激しく甦り、何としても助けなければ、私が助けなければいけない‼︎
という使命感に駆られた。
「絶対助けますから‼︎意識確かに‼︎」
と半泣きで声がしたであろうところを我武者羅に掘り起こした。
するとどうだろう、信じられない事に瓦礫の隙間、顔半分が瓦礫の下から除いていた。
齢にして14、5だろうか。
大丈夫ですか⁉︎
という私の声に反応して目だけがゆっくりと私の方を見た。
直ぐ他の救助隊も来て安全な場所まで運びますから‼︎もう大丈夫ですから‼︎‼︎
と、後半は自分でも何を言ってるかわからない状態で少女を潰した瓦礫をどかしていった。

「おい‼︎」

と後ろから肩を揺さぶられるまで、後ろに他の救助隊員が来てる事に気が付かなかった。
「あ‼︎この子‼︎まだ息がある‼︎直ぐ病院へ‼︎」
というと、その隊員は怪訝そうな、いや、まるで奇怪なモノを見る様な怯えた様子で
「そ、そんな訳ないだろう…」
と声を絞り出した。
この隊員では埒があかない‼︎と思った私は引き続き少女を救い出そうと視線を少女へ戻すと
少女は変わらず私を見つめていた。
ただ、その頭上から脳髄が無造作に垂れ落ちて涙になる所だった。
その眼光は、無機質であり世の全てを恨んでいるような、そんな澱んだ憎しみを放っていた。

私が駆け付けた時、彼女がまだ生きてそこに居たのか、はたまた、すでにこと切れていたのかはわからない。
でも確かにあの時、私の耳には彼女の声が、私の目には彼女のあの眼光が突き刺さった。それが今でも私の脳裏に消えずに焼き付いている。




 

友達は統合失調症】 

友人から昼夜問わず寝る時に嫌がらせをされるから寝られないと相談を受けた。
色々聞いたが
「なんでお前が寝る時をまるで監視してるかの様に嫌がらせしてくんだよ?それ心の病気に成りかけてるから病院行ったほうが良いよ」
と伝えたところ、いやマジで。と一向に聞く耳を持たなかった。
あんまりにも聞く耳を持たなかったので、じゃあ録音して聞かせてよというと、コレ。とある録音を聞かせてくれた。
そこには、確かにぎゃぁぎゃあと騒ぐ声が録音されていた。友人の声で。
「(おいおい、これマジかよ)確かに終始やかましい声がするな。お前の声で。自演すんな。」
と言うと

「この声が俺の声に聞こえるのか。

                      お前には。」

って。
ちょっと冗談にしては度が過ぎてたので、それ以降友人とは距離を置いた。
後日この話を別の友人に話して、マジウケるだろ?と言うと興味津々だったので、送られて来た録音音声を二人で聞いて爆笑してやろうと聞かせるとみるみる真っ青になった。
想定外の反応に
キモ過ぎて引いちゃった?
と聞いたら
「マジでキモいな」
って。
全然笑ってなかったし、軽蔑の目をしながら去ってった。
あーあ
またあの友人の家に行ってみようかな。
そろそろ寝る頃だしな。



 

信じるようになった訳】 

タイトルにある通り。
ツーリングの帰り道、いつも通りグーグルマップに従って帰るのもつまらんと思った俺は、自宅に向けて適当にヤマカンでその日は帰ってみた。
案の定時間がすごい掛かって、夜7時過ぎにもなると田舎の畦道辺りは真っ暗。
(思いつきで下手なことすんじゃ無かった…)
と後悔しつつバイクを走らせていると
バサッバサ! バサッバサ!
と音がした。
あまり聞きなれない音に警戒して、徐行して進んでいると、暗闇の中どうやら鴉?が田圃の案山子に引っかかって飛べなくなっているようだった。
案外優しい俺はバイクを止めて薄暗い中、鴉の元まで行き、引っかかっているのを外してあげた。
カーッ‼︎カーッ‼︎
と一目散に山向こうへ飛び去っていった。
(達者でなー)
となんとなく見とれていると何やら視線を感じる事に気が付いた。
暗闇だったからか所謂第六感ってやつが冴えていたのかもしれない。
ちょうど目が慣れて来た頃、目線を下へ、視線の出所へ移すと案山子の首だけがこちらを覗いて居た。
いや、案山子なんてもんじゃなかった
一つ目の化物だった。
「あ、、あ」
と叫び声も出せずに硬直していると
その化物の首がゆっくりと山の方へ向き直り、ズォッン‼︎というけたたましい音と共にひとっ飛びで山向こうまで飛び越えて行った。
(… カァーッ‼︎)
と遥か遠くの山の奥から鴉の断末魔が聞こえた。
あの刺すような巨大な一つ目に人外の脚力で追っ掛けられたのだからきっと直ぐ捕まったんだろうと思った。
そして次は自分の事を追っ掛けて来るんじゃないか?と生きた心地がしなくて、素直にグーグルマップ通りに自宅までフルスロットルで逃げ帰った。
この一件以来、俺は幽霊や妖怪の類の存在を信じる様になった。











 

魔都TOKYO】 

いつも通ってる道なのに
いつも使ってる駅なのに
まるで狐に化かされたみたいに
彷徨ってしまう
そんな経験ありませんか?

これは都会のとある駅の話
その駅はいつまでも増改築を繰り返し気が付けば新しい道や店が生まれては消えてを繰り返してた
日々忙しなく行き交う人々
私もそのうちの一人である
ここ通れなくなってる…
あ!新しいお店出来てる
傍目に目的地へ急ぐ
早足で歩きながら
いつになったらこの工事は終えるのだろうと想いを馳せた
まるで人生みたいだ
それはミノタウロスの迷宮
この終わらない改築は一種の結界になっている
と言う話を耳にした事がある
何処かの国のghost houseが悪霊をその家から出さないように増改築を繰り返すように、この駅もまた
こんな話も耳にした
この駅は入場者数と退場者数がいつまで経ってもあった試しがない
一日に何百万人と利用があるのだ
そのうち数人なんて…
という規模の話ではない
多くの人が無防備に行き交うその影で
何百、何千という人が一日で人知れず消えているとしたら
その事実を明かせないのは大人の事情があるのだとしたら
山登り川下り
どれも専用の護服があるのに此処にそれがないのは犠牲者を潤沢に日々捧げる為に目を逸らさせようとしているのだとしたら
そしていくら結界を張り巡らせその魂を縛り付けたとしても歪みは必ず生じる
その対価は誰が支払っているのか
質量保存の法則ではないがホームレスの人は爆発的に増える訳でもなければ一人残らず消える事もない
彼らはこのご時世、贅沢を言わなければいくらでも多少のお金を手にすることは出来るのに、この寒空の下、何故あんなところにいるのだろうか
誰の命令のもとで何の為に
そして消えてしまったホームレスは何処へ行くのだろうか

誰も知らない

こんなことを考えながら約束の地へ急ぐ
おかしいな…
この道で合ってる筈なのだけど…

あれ、こんな道あったっけ?



 

【匿名希望タイムトリッパーさんの悩み】

ご希望通りメールボックスに届いた話を紹介させていただきます
匿名希望タイムトリッパーさんの悩みが晴れる事を祈っております
僕も何か御力になれる事があれば良いのですが、触れてはいけないものの様な気もしておりますので、僕が持っている情報にて精査しつつ解決可能であればご返信させていただきます
また、現状では申し訳ないのですが、この発信を持って返させていただきます


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突然のメール失礼いたします。
こういったサイトを運営している方ならもしかしたら似たような話、欲を言えば解決策を知っているのではないかと思い、身勝手ながらメールをさせていただきました。

非常に厚かましくはありますが、公開していただけるのならしていただいて多くの方の目に触れ、この不毛な日々の突破口になればこれ幸いだと切に願っております。
よろしくお願いいたします。

今現在進行形で部屋に引き篭もりこのメールを打っています。
というのも部屋から出られない理由がある為です。
発端は明晰夢でした。
人生に絶望して明晰夢を見る事に心血を注いでいました。
このご時世ネットで調べればやり方など無数に出て来たのでそれ通りやっていたのですが中々上手くいかず、半ば諦めていた時にある面白い書き込みを発見しました。具体的なやり方は第二の犠牲者を出さない為にも伏せますがその方法をやるとあら不思議、明晰夢の最大の悩みの種であった接続時間を爆発的に伸ばす事が出来ました。ネット上では人を喰らうと延長する事が出来ると聞いていたのですが、私は然程効果が見られなかったので嬉しい発見でした。
また、上記に加えて色々試す過程で子供も喰らってみたのですが、私の場合はこれが大発見、未来へトリップする事が出来る様になったのです!

未来に行けたら何をしますか?いわゆる予知夢というものでしょうか。
私は人生に絶望していたので、ともかくもう働きたくないしお金が欲しかったので宝くじや競馬をやろうと思いました。
結論から申し上げますとそれは上手く行きませんでした。
というのも未来と言っても先に行けばいくほど精度が落ちるのと、私含め、誰かの人生がガラッと変わる様な事は起こせない様でした。
ただ、こんなこと言うと頭のオカシイ人だと思われてしまうかもしれませんが、数万円程度、具体的には3万円程までなら運命を持ち帰る事に成功しました!
パチンコやスロットの類です。
小規模のものを細かく持ち帰る、
これならそこまで誰かの人生を変える事もないからでしょうか?詳しくは知りませんが三万円程までなら持って帰れたのです。
そこからは、もう子供を喰いまくりました。
喰っては持って帰り喰っては持って帰り。 
誰だってそうするでしょう?
だって何もしなくても毎日三万円手に入るのですから!!
そうこうしているうちに、あっという間に50万円近く貯まりました。
親は不審がっていましたが別に悪い事をしてる訳じゃないので恥じる事はありません。
そんな夢のような日々を過ごしていた時、いつも通り夢中で子供の唇を噛みちぎって居た時、真っ白い世界にトリップさせられました。
血だらけの私はその世界では分不相応で冷や汗をかいていると目の前に一人の女性が現れてこう言いました。
何処で誰にこの方法を教示してもらった?
超然的な物言いにビックリして黙っていると脳内をまるで見透かされたように
また仮想空間か。
と呟き、こう続けたのです。
貴方は自分の私利私欲を満たす為に運命を歪め、多くの罪を重ねました。
現世に戻り罪を償いなさい。
自ら進んで徳を積みなさい。
そして
ましてやまた此処で私と会う様な事があれば

と言うところで強引に目を覚まさせました。
見ず知らずの女に大層な指図をされる筋合いはないのですから。そしてそんな事は言っても人間の性、せっかく手に入れたこの力、錬金術をやめられる筈がありません。
何度だってチャレンジしてやると再度いつも通りの方法を試そうと思うと、

ドドドドドドドドド‼

 

と深夜にも関わらず母が珍しく部屋に入って来たので私は恥ずかしながら発狂してしまいました。
いえ、語弊がありました。母ではなく、その女が現実の私の部屋まで入って来て目の前に居たのです。
錯乱状態で、取り敢えずその女を部屋の外へ押し出しその場はやり過ごしました。
長くなりましたが結論を言います。
すり替えられています。
母とその女が。
私の頭がオカシクなってしまったとも言えるかもしれないのですが、その女は今も母親面をして私の世話を焼こうとしています。
こうして部屋から出ないのもそのせいです。
ホンモノの母は、何処に連れ去られてしまったのでしょうか?
このお金、どうすれば満足なのでしょうか?
そんな悩みに日々苦しんでいる今も、その女は私の行動の一部始終を監視しているのです。

▼公開供養終了話

第二百三十九話【神隠しの森】

第二百三十八話【統失転じて】

第二百三十七話【雨が怖い】 

第二百三十六話【道連岬】 

第二百三十五話【逆恨み】

第二百三十四話【田舎の学校の異常なしきたり】

第二百三十三話【干渉時、其処には行くな。】

第二百三十二話【親心は時を超えて】

第二百三十一話【年々怖がりになっていくのは】

第二百三十話  【樹氷】

第二百二十九話【前世が視える】

第二百二十八話【蛇に魅入られた一族】

第二百二十七話【違和感の末路】

第二百二十六話【おい、この旅館やっぱり何かヤバいぞ。】 

第二百二十五話【警告する者】 

第二百二十四話【祖父の遺した物】 

第二百二十三話【死の契約】 

第二百二十二話【夢の先】

第二百二十一話【鬼灯】 

第二百二十話  【丸太橋】 

第二百十九話  【夢遊病の息子】 

第二百十八話  【誰か知らないか?】 

第二百十七話  【頭虫かと思ったら】

第二百十六話  【死ねない想い】 

第二百十五話  【供養出来ないもの】

第二百十四話  【御焚上】

第二百十三話  【恐怖VS狂気】

第二百十二話  家鳴り

第二百十一話  【マジで気を付けろ】

第二百十話   【ヤバい現場】

第二百九話   【多分これ俺】

第二百八話   【留まる怨念】

第二百七話   【異音の正体】

第二百六話   【震災の前兆】

第二百五話  【シライさん】

第二百四話  【とある寺の伝承】

第二百三話  【幽霊ヶ丘】

第二百二話  【夢なんかじゃ無いよ】

第二百一話  【自殺ごっこ】

第二百話   【ダジキが来るぞ】

第百九十九話 【伝言は忘れた頃に】

第百九十八話 【祖母の計らい】 

第百九十七話 【警報】

第百九十六話 【怨霊や妖怪、何かそういった類のもの】 

第百九十五話 【写真撮るな】

第百九十四話 【令和に息づく怪異】

第百九十三話 【ヤバイ家】

第百九十二話 【死人さん】

第百九十一話 【バスを待つのは】

第百九十話   【廃墟での出来事】 

第百八十九話【番いの神様】 

第百八十八話【人探しの依頼】

第百八十七話【鳴けない猫と悍ましい女】 

第百八十六話【おかしくなっていく】 

第百八十五話【お迎えが来る】 

第百八十四話【カミサマに愛されて】
第百八十三話【舞台やっていた時の話】

第百八十二話 【凶兆の使者】

第百八十一話 【透明の幽霊】

第百八十話  【生臭坊主だった頃の話】

第百七十九話 【必見‼幽霊撃退法‼】

第百七十八話 【お前じゃない】

第百七十七話 【倒木の跡】

第百七十六話 【もらいもの】

第百七十五話 【図書室のあの子】

第百七十四話 【見つけて欲しくて】 

第百七十三話 【噓から出た誠「耳削婆」】 

第百七十二話 【変な仕来のある家】

第百七十一話 【呪われた話】 

第百七十話   【Uber eatsでの恐怖体験- 嘆きの声 -】  

第百六十九話 【廃墟で拾ったVHS】 

第百六十八話 【怖い話を聴きながら寝てはいけない。】  

第百六十七話 【地元雷山の民話伝承】 

第百六十六話 【樋口一葉のような女】 

第百六十五話 【得体の知れないものを飼う老婆】 

第百六十四話 【いつもと同じ夜なのに】

第百六十三 【Uber eatsでの恐怖体験-呼ばれた友人-】

第百六十二話 【能面女が来る】 

第百六十一話 【深夜パトロール

第百六十話   【座敷童?】

第百五十九話 【患者Aの妄執】

第百五十八話 【裏神楽】

第百五十七話 【障る廃遺物​】

第百五十六話 【海にまつわる怖い話 -救ってはいけない人-】

第百五十五話 【売れない部屋】

第百五十四話 【海にまつわる怖い話-スエナシさん-】

第百五十三話 【鳴神様​】

第百五十二 【ツーリング界隈の都市伝説​】

第百五十一 【ここから出して】

第百五十話​  【纏わりつくもの​】

第百四十九話 【予期せぬ来訪者​】

第百四十八話 【知らず知らずのうちに​】

第百四十七話 【無垢な殺意​】

第百四十六話 【変質者にご用心​】

第百四十五話 【マタギをしていた父の話】

第百四十四話​ 【終末介護の果てに】

第百四十三話 【闇から覗くもの​】

第百四十二話 【命の燈​】

第百四十一話 【黒い煙​】

第百四十話   【共感する人しない人】

第百三十九話 【忍び寄る影】

第百三十八話 【生と死】

第百三十七話 【引っ越す決意をした話】

第百三十六話 【忌降】

第百三十五話 【粗悪な品にはご注意を】

第百三十四話 【某旅館にて】

第百三十三話 【降霊術式】

第百三十二話 【死の知らせ】

第百三十一 【大晦日最後の参拝者】

第百三十話  【聖なる夜に】

第百二十九話 【死の誘い】

第百二十八話 【森に巣食うもの】

第百二十七話 【流れ着いたモノ】

第百二十六話 【廃墟のトラウマ】

第百二十五話 【孤独死じゃない】

第百二十四話 【魅入られて】

第百二十三話 【壊された社】

第百二十二話 【来る人逝く人】

第百二十一話 【解呪の勾玉】

第百二十 話 【生霊】

第百十 九話 【お盆の黄泉返り】

第百十 八話 【呪言葉】

第百十 七話 【私が仕事を辞めた訳】

第百十 六話 【蚯蚓】

第百十五話  【焦げ臭い】

第百十四話  【墓参】

第百十三話  【望みのペンダント】

第百十二話  【薯蕷蕎麦】

第百十一話  【アヒャアヒャアヒャ】

第百十話    【●●山の神隠し】

第百九話    【黒いワンピースの女】

第百八話    【夢と現実】

第百七話    【してはいけない事 】

第百六話    【物数奇が高じて】

第百五話    【直ぐそこまで来ている】

第百四話    【迎えに来た】

第百三話    【埼玉A倉病院】

第百二話    【千葉ナンバーの車】

第百一話    【隙間】

第百話      【俺、見たんだ】

第九十九話  【誰も知らない】

第九十八話  【宿るという事】

第九十七話  【猫好き危機一髪】

第九十六話  【猫嫌】 

第九十五話  【無くなった宿直室】

第九十四話  【家の記憶】

第九十三話  【滴る怨念】

第九十二話  【闇に囚われて】

第九十一話  【誰も知らない同居人

第九十話    【生かされている意味 】

第八十九話  現代における呪いの存在について

第八十八話  【繋がる縁】

第八十七話  【キ◯ガイYouTuber】

第八十六話  【水子の悪霊】

第八十五話  【老描のすゝめ】

第八十四話  【御霊弔】

第八十三話  【私怨】

第八十二話  【田舎の大家での怪異】

第八十一話  【矛盾脱衣】

第八十話    【とある限界集落での言い伝え】

第七十九話  【死絵】

第七十八話  【もし良ければお焼香を】

第七十七話  【胆振の怨念】

第七十六話  【侵入者】

第七十五話  【理を超える者】

第七十四話  【決して表に出ない話】

第七十三話  【1人で良かった】

第七十二話  【異形の者達】

第七十一話  【異常な死に方】

第七十話    【黄泉の赤池】

第六十九話  【実家の守神様】

第六十八話  【供養とお祓いの話】

第六十七話  【泣き女の亡霊】

第六十六話  【霊柩車】

第六十五話  【凶兆夢】

第六十四話  【元居たバイト先の話】

第六十三話  【休憩室】

第六十二話  【曰く付き物件管理日報に記された死のサイン】

第六十一話  【コインランドリーにて】

第六十話    【お盆の母参り】

第五十九話  【誰でもいい】

第五十八話  【見つけたモノは】

第五十七話  【失くしたモノを見つける方法】

第五十六話  【前兆】

第五十五話  【夜のプールで見たモノ】

第五十四話  【面】

第五十三話  【家が無くても】

第五十二話  【ノイローゼ】

第五十一話  【闇の中で】

第五十話    【秋田の城跡】

第四十九話  【桜の神様】

第四十八話  【床女】

第四十七話  【朽無様】

第四十六話  【会社のシキタリ】

第四十五話  【冬の終わりに見た怪異】

第四十四話  【ヤミヤミ様】

第四十三話  【音に呼ばれて】

第四十二話  【戻って来る】

第四十一話  【現代版(?)不幸之手紙】

第四十話    【魘されて】

第三十九話  【USBを拾って】

第三十八話  【命の対価】

第三十七話  【執念】

第三十六話  【チョコちゃん。】

第三十五話  【雨の命日】

第三十四話  【開けてはいけない。】

第三十三話  【ただれ様 】

第三十二話  【目抜御前】

第三十一話  【声優志望のセイコさん】

第三十話 ​   【真夏の母校の七不思議】

第二十九話  【あの日以来】

第二十八話  【同居人】

第二十七話  【真夜中の訪問者】

第二十六話  【鬼憑】

第二十五話  【虫の知らせ】

第二十四話  【山神之尊】

第二十三話  【悪質な書き込み】

第二十二話  【無理は程々に。】

第二十一話  【世界線を越えて】

第二十話  【視える】

第十九話  【鏡に写ったものは】

第十八話  【深夜ドライブにて】

第十七話  【形見の日本人形】

第十六話  【この素晴らしき世界に祝福を】

第十五話  【某ライブハウスの話】

第十四話  【この世のバグ削除プログラム】
第十三話  【欲望の果てに】
第十二話  
【R領域 】
第十一話  【最期の言葉】
第十話    【国の行く末】
​第九話    【信じるな】
第八話    【終電車の男】
第七話    【死してなお】
第六話    【幼少期のトラウマ】
第五話    【稲荷の神様の話】

第四話    【夕暮れの帰り道】

第三話    【世界は1つじゃない】

第二話    【迎え火、送り火、御霊前】

第一話    【​葬式にて】

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