絶叫マニア
元カレとの最恐の思い出話。
彼は絶叫マニアでお化け屋敷に絶叫マシン、全部大丈夫な人だった。
ただその元彼の唯一のNGになったのがバンジージャンプ。
それはある体験をしたからだと元カノながら考えている。
私もそこそこ絶叫系はイケるタイプだったので二人して色々な絶叫アトラクションを制覇していった。
バンジージャンプをする前に、スカイダイビングをしてしまったので、もう良いんじゃね?とも言っていたのだけど、一応経験しとくのが良いんじゃん?と話し合った結果、じゃあ有名どころのバンジーじゃなくて、超マイナーなバンジー探そうぜ!ということになった。
なんじゃそりゃと今では思うけど、当時は彼に心酔してたから。
それでネットで探して見るとあるわあるわ、結構な数のマイナーバンジーが出て来た。
それはそれで逆に選ぶの迷うな〜となり、結局、一番安くて色んな意味で怖そうな奴にした。
バンジー当日。
まずヤバいのが、見る限り命綱的なものがかなり質素でボロい。
その癖、人気なのか空き枠が一枠しかなかったのに加えて、最後の枠、予約制を取るとすぐ埋まってしまう為、参加希望の方は当日空き枠の時間にお越しください。※埋まり次第終了です。
となっていた。
他にも細々したヤバい点はあったが、ともかくその時点で色々ヤバさ満載だった。
着いてこれまたビックリしたのが、人が全然いない事。
あんなに予約枠が埋まっていたのに私達とバンジースタッフの人が二人しか居なかった。
節々に不安はあったものの、結構な山奥まで来てやっぱりやめますとも言いづらく、元彼が先にやる事になった。
普段から怖いもの知らずだった元彼も流石に不安だったのか、コレ大丈夫なんですよね、、?とスタッフに聞いたものの「ええ」としか言ってなかったのがさらに怖かった。
あと、二人同時にカップル仲良く飛ぶのがオススメですよ、貴重品は念の為、お預け下さい。
と言っているのも不気味で、一応別々で飛びます(何が一応なのか。)と言うと
手早く流れ作業の如く準備は進み、それじゃあカウントダウン始めますよー!
3、2、1バンジー‼︎
という掛け声と共に、元彼は最後にこちらをチラ見した後に山底へ落ちていった。
すると、いゃああああ‼︎とまるで元カレとは思えない様な甲高い叫び声が聞こえたので、
(怖過ぎて、叫び声裏返ってる?笑)
と少し笑ってしまったのだが、
「早く上げろぉ‼︎早く‼︎‼︎」
と直ぐ元彼の必死の叫びが聞こえて、そんな気持ちは吹っ飛んだ。
上がって来た彼は白を超えて青いくらいの顔色になってゼェゼェ肩で息をしていた。
演技にしてはやり過ぎに見えたので、そんな怖かったの?笑
俄然楽しみになって来た笑
と少し落ち着かせる意味も込めて茶化すと、ちょっと休憩してからやるとしたら来ます。と半ば強引に私の手を引いて車に退散した。
あまりにも変だったので、大丈夫?と声を掛けると、ちょっとマジでヤバいヤツかもしれん。とワケを聞かせてくれた。
俺も最初は確かに設備やらスタッフ対応やらで恐怖度はいつもより高かったけど、流石に死人が出るようなアトラクションなら続けられないし宣伝もせんわなとタカをくくってた。
で、いざ飛んでみて、なんだ全然怖くねぇじゃんと思って落ちながら横を見たら
知らん女が俺の横で逆様に並走してた。
んで、その女、俺を見てニヤっと笑ったと思ったら思いっきり絶叫して、女は下の岩に激突、俺は命綱の反動で一回上に戻ってまた下に落ちたら、血だらけの女がガシガシ俺を掴もうとしてやがんの。
でも幸い体がほとんど潰れて上半身しか残ってないから、手は届きはしなかったけど、その形相がヤバ過ぎて、、。
引き倒した私が黙って何も言わずに居ると、
お前、やる?と聞いて来たので、
いや、やらんわ‼︎
とキレた。
後日、他の絶叫アトラクションをする度に、あのバンジーほどじゃないわと彼があまりに言うから少し気になって、あのバンジーの事を調べてみたものの、そのサイトが見つかる事はなかった。
ただ、あの山は実在してるので、山について調べれば何か出るかもしれないが、もう元カレとも別れてしまったし一人で調べる勇気はない。

